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2023年6月13日 太宰治 山崎富栄 命日

 今日は太宰治と山崎富栄の命日。
 いつもは真っすぐ太宰治の眠る禅林寺へ向かうが、今日は山崎富栄の眠る永泉寺からお墓参りをした。
  
 雨が心配だったが降られることもなく無事に到着。二人が雨が降らないように神様にお願いして迎えてくれたのかな?と勝手に思い込む自分がいる。
 いつもはサクランボを持参するが、いつも途中で買う八百屋さんが閉まっていたため、ジュースをお供えした。
 「これからどんどん暑くなるので、良かったらジュースを飲んで体に気をつけてください。」
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『私ばかりしあわせな死に方をしてすみません。(中略)骨は本当は太宰さんのお隣りにでも入れて頂ければ本望なのですけれど、
それは余りにも虫のよい願いだと知っております。…(後略)』(山崎富栄 遺書より抜粋)

 山崎富栄の遺書を読むたびに胸が苦しくなる。どこまでも太宰治を慕う、一途な女性だったのだ。
 あの世でも太宰に尽くしているのだろうか。


 三鷹につくと、雲の隙間から青空が顔を覗かせ、気温がぐんぐん上昇しているのを肌で感じた。
 禅林寺まで徒歩は疲れるので、レンタサイクルを借りて颯爽と向かう(久しぶりの自転車は快適で気持ちがいい!)
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 墓石前まで行くと、外国人のファンらしき女性が一人いた。
 いままでお墓参りをして、他の太宰ファンに合うことがあまりなかったため嬉しく思い、会釈をすると、かたことの日本語で、
「ダザイ、スキデスカ?」と聞いてきたので、元気よく「イエス!!」と答えた。
 私は英語が苦手で会話に難儀したが、彼女はメキシコ出身で、人間失格を読んで好きになったとのことで、今回休暇を取って5人で日本に旅行に来て、今日は一人で太宰治のお墓参りへ来たようでした。

 話しをしながら、彼女は自分の鞄から人間失格の本を取り出して私に見せてくれた。
 その本はなんと、初版本ではないか!!
 反射的に思わず、「どこで買われたのですか?」と日本語で聞いてしまい、彼女は上手く答えられず、申し訳ないことをした。
 おそらく英語訳で読み、今回の旅行で初版本を購入したようでした。

 人間失格を読んで、インスピレーションを受けたと言ったときの彼女の切ない顔が忘れられない。

 最近また、太宰治が海外の若者の間で流行しているらしい。
 人間失格の大庭葉蔵のように、生きづらさを感じている若者がそれだけ多いのだろうか。
 時代が変わっても、国や人種、年齢、性別を問わず共感できる文学を残した太宰に対して、改めて尊敬の念を抱くと共に、
 「生きづらさ」というものに、やるせなさを感じてしまう。


Commented by tarukosatoko at 2023-06-16 21:33
太宰治文学サロンの人に松本侑子さんの『恋の蛍 山崎富江と太宰治』という本を教えてもらい読みました。富江さんの建設的で整った生い立ちから始まり、太宰が富江さんと出会ってから最後までのことを書いた壮絶な本で、衝撃を受けました。わたしも山崎富江さんのお墓にお参りしたいです!
これほど、心に刺さってくる本はないのではないかと。
息ができない太宰ののどにつまっているものを除くために、山崎さんが口で吸い取って、山崎さんの顔が出てきた血だらけになっていたというところとか、身重の太田静子さんと山崎さんが同席して、太宰が太田さんに冷たくするところとか、娘も亡くなっているのに山崎さんのお父様が謝罪するところとか…。
山崎さんがいたから『人間失格』が存在することも痛いほどにわかりました。

『人間失格』を読んで日本に来てお墓参りをするメキシコの人、お墓の前でのそんな出会いもすばらしいです。太宰恐るべし、ですね。この人にも『恋の蛍』を読んでもらいたいものです。
Commented by dazaiosamuh at 2023-06-24 19:29
> tarukosatokoさん、ぜひ富栄さんにもお会いしてみてください!きっと喜びます。
松本侑子著『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』も名著ですね。私は本人から直接サインをもらって購入しました。
山崎富栄だけでなく、太宰治と関わった女性たちについて調べるほど、やりきれない胸の苦しい思いになります。
太宰治の文学は、自分を取り巻く女性関係によって完成したと言っても過言ではありませんね。
『恋の蛍』、ほんとうにそのメキシコ人女性にも読んでもらいたいです。
こういった出会いがあったことにも、太宰には感謝です。
by dazaiosamuh | 2023-06-13 15:50 | Comments(2)