bar『風紋』閉店 林聖子さん、いつまでもお元気でいてください

 先月6月28日、新宿のbar『風紋』は開業から57年の歴史に幕を下ろした。経営者の林聖子さんは今年90歳。体を悪くし、立っていることが辛い状態であることなどからお店をたたむことにしたようだ。
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 入口には聖子さんの歩行器(?)があった。風紋は地下にあるため、階段を上り下りしなければならない。立っていることも辛い聖子さんには難儀であろう。
 私が訪れたのは先月22日。ちょうどその日は風紋閉店にあたって『風紋 終幕の会』が行われる日であった。私はネットで偶然にも風紋が閉店することを20日過ぎに知り、22日が『終幕の会』とは知らずに行ったのでした。
 『終幕の会』とあって、長年通っている常連さんや聖子さんと親しい人たちが大勢集まっていた。そんな中、私は今回で3回目でそしてこれが最後になります。初めて訪れたのは、2014年11月のことで、太宰治短編作品『メリイクリスマス』のモデルである林聖子さんの存在を知り、開店50周年を記念して出された本『風紋50年』を携えて、ドキドキしながらお店の中へと入っていった記憶が思い出される。その時に『風紋50年』にサインももらった。
 そして2回目に訪れたのは、2016年3月16日。聖子さんの誕生日(米寿)だ。この日も大勢集まり、ケーキや花などで祝福した。照れ臭そうにする聖子さんの姿が印象的だった。この時は、『風紋30年』を持参し、こちらもサインをもらった。
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 そして終幕の会(写真は風紋終幕の会にあたっての記念配布で、聖子さんが2014年に世田谷文学館で講演した時の記録が記載されている)。風紋はずっとあり続けると、なぜか思っていた。自分でも分からないがそう思っていたのだ。そのため風紋閉店は非常に衝撃であった。これならもっと定期的に通っていれば良かったと後悔した。
 長年の常連さんや懇意にしている人たちと聖子さんは笑顔で話していたが、やはりどこか少し寂しいような感じであった。閉店を惜しむ声も聞こえてきた。

 風紋に来るのもこれで最後になるので、私はまだサインを貰っていない残り1冊の『風紋25年』を持ってきていた。この日も聖子さんは快くサインして写真も撮らせて頂いた。誰にでも気さくで優しいからこそ、みんなに愛され、57年間続けてこれたのだと思います。
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 写真は風紋を記念して出版された本で、右から『風紋25年』『風紋30年』『風紋50年』です。

 林聖子さんは最後のあいさつで、『57年。みなさんのおかげで何とかやってこれました。ありがとうございました。もっと沢山話そうとすると、泣いちゃいそうなので……。ありがとうございました。』と感謝の言葉を述べていた。
 お店を出るとき、聖子さんに「お身体に気をつけてお元気でいてください」と言うと、聖子さんも「あなたもお元気で気をつけて働いてね」と言い、手を握ったときの聖子さんの暖かい温もりのある手を忘れない。
 聖子さん、風紋57年間お疲れ様でした。いつまでもお元気でいてください。


by dazaiosamuh | 2018-07-03 12:45 | 太宰治 | Comments(0)