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太宰治と甲府 №13 豆腐は酒の毒を消す!? 豆腐屋跡

豆腐は酒の毒を消す。味噌汁は煙草の毒を消す

 これは太宰治が妻・美知子に言っていた言葉だ。なぜか妙に格好良く聞こえる。がしかし、私は煙草は吸わないので分からないが、いくらなんでも味噌汁では煙草の毒は消せないだろう。豆腐は私も大好きで、湯豆腐食べながら日本酒をちびちび飲むことがあるので、豆腐で酒の毒が本当に消えてくれたらいいなと思う。

引越す前、酒屋、煙草屋、豆腐屋、この三つの、彼に不可欠の店が近くに揃っていてお誂え向きだと、私の実家の人たちにひやかされたが、ほんとにその点便利良かった。』(回想の太宰治)
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 喜久の湯を出てすぐの交差点の角に、よく買いに行った豆腐屋があった。写真中央の茶色の建物の場所に、豆腐屋がありました。現在は人家となっているようです。
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 写真の少し奥へと進むと、太宰と美知子の住んだ新居跡があります。新居と喜久の湯の間にあったので、銭湯の帰りに買って帰り、酒を肴に飲んだのでしょう。
 この豆腐屋は、大通りに面した側が入口で、中に豆腐を入れておく大きな水槽があった。屋根は瓦葺きで、新居へと続く道側(写真の中央の道路)は、硝子戸になっていた。
 昭和13年(1938)の「国民新聞」に「九月十月十一月」と題した随筆の中で、「ふと豆腐屋の硝子戸に写る私の姿もなんと、維新の志士のように見えた」と書いている。この豆腐屋を横目に歩いたことが伺えますね。

 太宰は喜久の湯でゆっくりしたあと、新居での晩酌となるのだが…、
酒の肴はもっぱら湯豆腐で、「津島さんではふたりきりなのに、何丁も豆腐を買ってどうするんだろう」と近隣で噂されているということが、廻り廻って私の耳に入り、呆れたことがある。
 噂されるほど沢山豆腐を買っていたのですね。昔は、それぞれの家庭が鍋を持って豆腐屋さんに行き、切り分けてもらっていた。嫌でも人目につくので、妻・美知子も噂話に耐えながら毎日食べる太宰のために買いにいっていたのでしょう。
 ところで、豆腐は酒の毒を消す、と太宰は妻・美知子に言っていたそうだが、美知子の鋭い洞察によると、『太宰の説によると「豆腐は酒の毒を消す。味噌汁は煙草の毒を消す」というのだが、じつは歯がわるいのと、何丁平らげても高が知れているところから豆腐を好むのである。』と断言している。なるほど、そういうことだったのか。

 今度、会社の同僚と飲みにいったら、湯豆腐頼んで、「豆腐は酒の毒を消す。味噌汁は煙草の毒を消す」と格好良く言ってみようかなと思います。


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by dazaiosamuh | 2018-04-15 09:04 | 太宰治 | Comments(0)

by 黒森 富治大(くろもり ふじお)