太宰治の友 織田作之助の大阪 №3 夫婦善哉!!

法善寺境内の「めおとぜんざい」へ行った。道頓堀からの通路と千日前からの通路の角に当っているところに古びた阿多福人形が据えられ、その前に「めおとぜんざい」と書いた赤い大提燈がぶら下がっているのを見ると、しみじみと夫婦で行く店らしかった。』(夫婦善哉
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 オダサクの書いた作品『夫婦善哉』のお店は作中にあるように法善寺境内にある。残念ながら阿多福(おたふく)人形はなく、富山の百河豚(いっぷく)美術館に保存されているらしい。オダサクファンならば一見の価値はあると思います。
 作中では赤い提燈に平仮名で「めおとぜんざい」と書いてあったみたいだが、現在は漢字で「夫婦善哉」と書かれている。私は甘いものに目が無いのですが、どうにも入口に大きく書かれた「夫婦善哉」の文字が、男一人である私を入り難くしている。これだから小心者は困る。法善寺の周りを少しうろうろして、折角来たのだからと、意を決して入ると、2人組の若い女性が談話を楽しみながらくつろいでおり、それを見て1人ほっとして空席に座り定番の夫婦善哉を注文しました。

おまけに、ぜんざいを註文すると、女夫の意味で一人に二杯ずつ持って来た。』(夫婦善哉
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 美味しそうですね。見ているだけでよだれが出てきます。2つのお椀に白玉が1つずつ入っています。

こ、こ、ここの善哉はなんで、二、二、二杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ。こら昔何とか太夫ちゅう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山はいっているように見えるやろ、そこをうまいこと考えよったのや」蝶子は「一人より女夫の方が良えいうことでっしゃろ」ぽんと襟を突き上げると肩が大きく揺れた。蝶子はめっきり肥えて、そこの座蒲団が尻にかくれるくらいであった。』(夫婦善哉

 確かに2杯あると沢山はいっているような贅沢な気分になります。肝心の味はというと、甘すぎず老若男女関係なく食べられる上品な甘さです。後から年配のご夫婦が来て仲良さそうに一緒に善哉を食べる姿に少ししみじみとしました。
 口直しの塩昆布も相性が良かったのですが、塩昆布を食べたら、また善哉をおかわりしたくなってしまい困りました。しかしそれを懸命に堪えてお店を出ました。

 明治16年(1883)に文楽の竹本琴太夫が出した「お福」という甘味処が始まりとのこと。店内には映画「夫婦善哉」に関係したポスターなどの展示や有名人のサイン色紙なども飾ってありました。興味のある方は是非訪れてみてはいかがでしょうか。


Commented by tarukosatoko at 2015-11-10 15:54
法善寺の近くには友達などと夜に行っていましたが、夫婦善哉のお店はいつも「あ、ここが夫婦善哉かー」と言って通りすぎるだけでした。わたしもおださくの本を読んでから、食べに行こうと思いましたよ!
Commented by dazaiosamuh at 2015-11-13 08:02
> tarukosatokoさん、初めての法善寺界隈の夜などは賑やかで楽しかったです。外国人の観光客も沢山いました。大阪は外国の方には新鮮に映るでしょうね。
夫婦善哉、返信を書きながら思い出しただけでよだれがでます。甘い物が好きなのです!
by dazaiosamuh | 2015-11-06 12:24 | 太宰治 | Comments(2)