2014年 11月 28日
太宰治 新潟『みみずく通信』 №1 埃っぽい街
今回、私は佐渡へは行かずに、主に『みみずく通信』の太宰の足跡を辿ってみた。
『けさ、新潟へ着いたのです。駅には、生徒が二人、迎えに来ていました。学芸部の委員なのかもしれません。私たちは駅から旅館まで歩きました。何丁くらいあったのでしょう。私は、ご存じのように距離の測定が下手なので、何丁程とも申し上げられませんが、なんでも二十分ちかく歩きました。新潟の街は、へんに埃っぽく乾いていました。捨てられた新聞紙が、風に吹かれて、広い道路の上を模型の軍艦のように、素早くちょろちょろ走っていました。道路は、川のように広いのです。電車のレエルが無いから、なおの事、白くだだっ広く見えるのでしょう。』(みみずく通信)
いざ到着すると、別段、埃っぽいとは思いませんでしたが、私が訪れたのは今年の10月のことで、雨も少し降っていたこともあり、秋風がぴゅうぴゅうと頬を撫でる度に、ずいぶん寂しい季節に来てしまったものだと思ってしまった。ちなみに、『捨てられた新聞紙が、風に吹かれて、広い道路の上を模型の軍艦のように、素早くちょろちょろ走って…』はいませんでしたが、雨を含んだ秋の枯葉が、風に吹かれて、時には交差点の真ん中で、小さく渦を巻き、そうして道路の横脇にたどり着き、ほっと一息ついているような様子でした。
ブログの更新が遅くなってしまっていますが、自分のペースで根気よく書いていきたいと思います。
次回は、萬代橋を載せます。