2014年 11月 09日
太宰治の肉声が残っている!!? 仙台NHK
仙台に来た時、私はついでに仙台NHKにも寄った(寄ったと行っても外観を撮っただけである)。ある小冊子に、太宰の肉声について触れていたからだ。

『私の記憶力の曖昧さと不精ぶりの証明にしかならないが、まめな人たちに期待したいのは、次のことである。
太宰の録音が仙台のNHKにあればある筈だという点である。(中略)店のラジオから、誰かが、文章を朗読する声が聞えてきた。聞いたことのある声であり、読んだことのある声である。終始聞いたのか、途中からだったか忘れた。太宰治が「思い出」の一節を読んでいたのだとわかった。(中略)東北出身の名士や芸術家の「ふるさとへ寄せる言葉」というシリーズであった。あとで、小冊子になった第二集には太宰の名はなかった。第一集の方に載ったのであろう。
その方は入手できなかったし、目による機会もなかった。その放送は、たけに聞かせたかったのだが、彼女は聞かなかったらしい、と「津軽」で太宰は書いている。他の人たちは文字通り、ふるさとへ寄せる言葉を録音放送したのに、太宰だけは、自分の作品朗読で間に合わせた。というよりも、まともに自分の感想を述べるのを避ける気持と、自作朗読という彼独特のナルチシズムとからであったろう。それが昭和十X年Y月Z日であったとすれば、情報資料の保存ということで信用のできる仙台のNHKのどこかに、太宰の声は残っている筈である。』

太宰はラジオ放送のことを『津軽』に少し載せています。
『四、五年前、私は「故郷に寄せる言葉」のラジオ放送を依頼されて、その時、あの「思い出」の中のたけの箇所を朗読した。故郷といえば、たけを思い出すのである。たけは、あの時の私の朗読放送を聞かなかったのであろう。何のたよりも無かった。』
『津軽』に書かれている通り、故郷といえば、自分の子守で母のように慕った、たけを思い出し、そのラジオ放送も、故郷と言えばたけ。つまり、たけに寄せた朗読放送だったのだ。しかし、肝心のたけはラジオ放送を聞いていなかった。
それと、太宰は人前などで自身の感想等を述べるのはあまり得意ではないようであった。旧制新潟高校での講演の時も、『走れメロス』、『思い出』などの一節を交えながら、しかし、かなり熱を入れてしゃべったらしい。
そして、肝心の太宰の肉声はというと、私は仙台へ行く何週間か前に、どうせ有力な情報は手に入らないと思いつつ、仙台NHKへメールで問い合わせた。
質問は、昭和14、15年頃に太宰治が「故郷へ寄せる言葉」と題してラジオ放送をした録音が仙台NHKに残ってるという情報を聞いたのですが、何かありましたら詳しい話を聞かせてもらえないでしょうか、といった感じの内容で質問した。
すると、数日後、仙台NHKから返信が来ていた。
『黒森 富治大 様
いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
折角お問い合わせをいただきましたが、昭和15年頃の仙台放送局での太宰治に関する番組についてですが、大変古い内容であり、当時の担当者も既に退職しておりますので、残念ながら詳細はわかりませんでした。
あしからずご了承ください。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。』
やはりダメであった。もともと期待はしていなかったが、それでも残念である。
太宰の肉声は、誰もが聞いてみたいと思っていることだとは思うが、今となっては、もやは太宰の声を聞ける日は、たぶん、やってこないと思います。
太宰の肉声についてですが、私がNHKとのメールのやりとりをした印象としては、やはり残っていないと思われます。年代が昭和15年頃のことなので…。どれか忘れましたが、「太宰の肉声は残っていない」と書かれている本もありましたし…。
それとほかの方にも、「太宰の肉声」についてではないですが「探偵!ナイトスクープ」に依頼してみたら、と言われたことがあるのですが、私はあくまで趣味で太宰を調べたり、聖地巡りをしているので、自分の力で調べなければ意味がありません。メディアの力を借りては意味がないのです。
自分の調査力がないのも確かですが…。
前の方とは別の通りすがりの者です。
今もご覧になっているか分かりませんが、あるいはもうご存知かも知れませんが、件の放送というのは、おそらく昭和十五年の『郷土に寄する言葉』というものであろうと思われます。目録的な冊子が残っており、それによると皇紀二千六百年の記念のものらしく、何かそうそうたるメンバーが揃っていたようです。(古書など売り切れて手に入りませんが、『郷土に寄する言葉 仙台中央放送局』でググると少し画像が見られます。)元大臣だのどこかの団体の代表だのが居ますので、そういう所に録音が残っているといいのですが、どうでしょうね……
冊子自体は弘前大学附属図書館に収蔵されてあるようですが、このご時世閲覧もややこしいかも分かりません。
ネットサーフィン中にふと見かけて、もしやこれでは、と思いましたので、こちらにお知らせだけでもと書きました。あまり実のある情報ではありませんが、何か手掛かりになりましたら……
乱文失礼致しました。
返信遅くなり申し訳ございません。
『郷土に寄する言葉』はあとから私も分かりましたが、『目録的な冊子が残っており、それによると皇紀二千六百年の記念のものらしく……』は知りませんでした。
その冊子は、弘前大学附属図書館にあるのですか?!
それは是非とも読んでみたいです!コロナが落ち着いたらまた弘前まで足を運んで、確認してみたいと思います。
貴重な情報ありがとうございました!

