遠い空の向こうへ

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太宰の他に映画等、色々載せれたらいいなと思っています。

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太宰治は煙草ピースも吸っていた!!

 数カ月前の記事で、煙草『ゴールデンバット』を書いた事があったが、その時まで太宰が吸っていた煙草はバットしか見つけることが出来なかった。しかし、関連書籍を読み漁っていると、また一つの銘柄を発見した。ピースだ。
 ゴールデンバットの誕生は1906年。ピースは40年あとの1946年(昭和21年)だ。太宰が亡くなったのは、1948年(38歳)であるから、太宰が吸い始めたのは、早くても亡くなる2年前の36歳からということになる。
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 ピースは、両切りタイプもあり、入り本数やパッケージ等の違いも大きい。風味やニコチン、タールの量もバリエーションがある。本場バージニア葉を主体に国産優良葉をブレンドした国産初の本格的バージニアブレンドタイプでバニラ豆のバニリンのような加香を施して、「ほのかな甘く華やかな香り」と深みのある味わいが特徴とされている。

 太宰がピースを買う描写が書かれているのは、長尾良の『太宰治 その人と』である。
太宰は一軒の閉まっている商家の潜戸を開けて入った。薬屋であったが、店には店番も誰もいなかった。
「煙草、下さーい」
 土間から太宰が奥に向かって喚いた。暫くすると、紬の着物を着た五十がらみの恰幅のよい主人が、煙草を両手にかかえて出て来た。
 決まった日に、行列を作って一人一個ずつしか買えない、自由販売のピースを、主人は黙って太宰に十個渡していた。その中から太宰が三個、私にくれた。
 先に表に出て、代金を払っている太宰の出てくるのを待っていた。煙草で懐をふくらませた太宰が出て来た。
「じゃ帰って来るよ」
 と、言った。
 太宰は、一寸、頷いて、「うん。じゃ、また」と、言った。
 私は、二、三歩駅の方に歩き、太宰も数歩歩いてから、互いにもう一度振りかえった。そして、
「さよなら」
 と、目を見交わして別れた。
 これが太宰との最後であった。
 この時、太宰はまだ、死ぬとも、死のうとも、考えていなかったろう、と思う。


 長尾にとっては、これが太宰と過ごした最後の日であった。最後であったからこそ、太宰がピースを買う姿が強く印象に残った貴重な場面だ。当時、既存のたばこは、10本入り20~60銭であったのに対して、ピースは10本入り7円という破格で、高級煙草に分類されていた。発売当初の人気は非常に高かった。太宰もまた、このピースの「ほのかに甘く華やかな香り」の虜になったのだろう。昭和22年の出来事であったから、発売してから1年程しか経っていない、太宰達にとっては上品な新商品煙草であったのだ。
 
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 発売時のピースは、今でも販売しているピース(10)というフィルターの付いていない両切りタイプの煙草である。「煙草は両切りに限る」と言っていた太宰が気に入るのも納得。

 私も味見をしてみたのですが、バットの時もそうでしたが、普段煙草は吸わないので、味など分かりません。しかも、両切りタイプなので、葉が口に入って吸いにくい。しかし、まずいのはともかく、私にはニコチンが強すぎでした。一瞬でくらっと来ました。パッケージをよく見ると、タール28mg、ニコチン2.3mgと記載されていました。バットと見比べると、バットはタール18mg、ニコチン1.1mgです。タールは10mgも多く、ニコチンは2倍以上じゃないですか。どうりでくらくら目眩がするはずです。ただでさえ、私にとってバットもきついのに……。
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 しょうがなく私は、残りの9本をパイプを付けて吸うことにしました。パイプを付ければ私でも問題なく吸えました。ただ、ニコチン、タールの量は変わらないので、太宰に興味があり、吸ってみたい方は、味見程度に抑えておくことをお勧めします。

 パイプを付けて吸う私を、太宰が空から笑いながら見ている気がします…。







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Commented by tarukosatoko at 2016-08-09 12:28
このピースは父が好きでしたが、ニコチンとタールが充実…だったのですね。そういう人から見たら、今のタバコなどは薄すぎるのでしょうかね。
Commented by dazaiosamuh at 2016-08-10 20:04
> tarukosatokoさん、さとこさんの父は、この両切りタイプを吸っていたのですか。たぶん他の煙草は弱くて吸えないのではないでしょうか。
 どんどん煙草も値上げしていますが、もし太宰が今の時代にいたら、それでもスパスパ吸っていたことでしょうね。
by dazaiosamuh | 2014-09-02 16:50 | 太宰治 | Comments(2)

by 黒森 富治大(くろもり ふじお)