遠い空の向こうへ

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太宰の他に映画等、色々載せれたらいいなと思っています。

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太宰も愛した煙草 ゴールデンバット

 荻窪紀行の途中になってしまいますが、太宰の愛用した煙草を紹介したいと思います。太宰が愛用したと言われている煙草というのが、日本たばこ産業から出されている『ゴールデンバット』です。
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『ゴールデンバット』は、1906年(明治39年)9月に販売されました。現在販売されている煙草の中では日本最古の銘柄として有名。2006年には発売100周年を迎えました。太宰は1909年生れなので、太宰より先に誕生してますね。
 この『ゴールデンバット』は、太宰の小説の中にもしばしば登場します。

『甲府へ行って来て、二、三日、流石に私はぼんやりして、仕事する気も起らず、机のまえに坐って、とりとめのない楽書きをしながら、バットを七箱も八箱も吸い、また寝ころんで、金剛石も磨かずば、という唱歌を、繰り返し繰り返し歌ってみたりしているばかりで、小説は、一枚も書きすすめることができなかった。』(富嶽百景

『…バットを七箱も八箱も吸い…』と書かれていますね。バットはもちろん『ゴールデンバット』のことです。この『富嶽百景』は太宰が気持ちを新たに、再出発のために師である井伏を追って天下茶屋に逗留しているときに書かれた小説です。
 1906年のバット発売当時は、10本入りで4銭だったそうです。現在は20本入りで200円。200円に値上がりしたのは、2010年10月の価格改定からで、それまでは140円だった。

 このバットは、両切りタイプで、いわゆるフィルターの付いていない煙草です。私は普段煙草を吸わないので、フィルターのない煙草など知りませんでした。それでも、太宰が愛用していたのなら、私も吸ってみようと思い買ったわけです。そして、吸った感想はというと、吸いにくい。フィルターがないので、吸い口の部分が湿ってボロボロになってきてしまった。葉も口に入るし、それに不味い。私の吸い方が下手なだけだと思いますが、あまり積極的に吸いたいと思わないです。ちなみに、タール18mg,ニコチン1.1mgです。普段吸わないので、味も含めて他の煙草と比べることができませんので、味の感想等、上手く伝えることができないのが残念です。
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 上の写真を見て分かる通り、フィルターは付いていません。見るからに吸いにくそうだと思います。
 他にも、『千代女』にもバットは登場します。
『私がお父さんのお使いで、バットを買いに行った時の、ほんのちょっとした事を書いたのでした。煙草屋のおばさんから、バットを五つ受取って、緑のいろばかりで淋しいから、一つお返しして、朱色の箱の煙草と換えてもらったら、お金が足りなくなって困った。おばさんが笑って、あとでまた、と言って下さったので嬉しかった。緑の箱の上に、朱色の箱を一つ重ねて、手のひらに載せると、桜草のように綺麗なので、私は胸がどきどきして、とても歩きにくかった、というような事を書いたのでしたが、何だか、あまり子供っぽく、甘えすぎていますから、私は、いま考えると、いらいらします。』

 こちらにもバットの名で、『緑の箱の上に…』などと書かれていますね。まぎれもなく『ゴールデンバット』です。当時からバットという通称で親しまれてきたようです。

 このバットは吸いにくかったため、私はフィルターを別で買い吸いました。やはりフィルターがあった方が吸いやすいですね。
 しかし、『女性徒』の中にこんな事が書かれていました。

『なぜ、敷島なぞを吸うのだろう。両切りの煙草でないと、なんだか、不潔な感じがする。煙草は、両切りに限る。敷島なぞを吸っていると、そのひとの人格までが、疑わしくなるのだ。』

 すみません、太宰さん。私にとってただでさえ口に合わないのに、フィルターなしでは吸えません。
 バットにフィルターを付けて吸うのは、太宰にとって邪道ということになりそうです。


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Commented by tarukosatoko at 2016-08-09 12:25
ゴールデンバット、フィルターがないなんて、すごいですね。太宰はフィルターがついていないタバコをすっていたのですね。ニコチンが100%体にはいってくるような…
Commented by dazaiosamuh at 2016-08-10 19:52
> tarukosatokoさん、当時はフィルターのない煙草を吸うことはごく普通だったと思います。私は普段吸わないので、味見をしたときは、くらくら目眩がしました……。煙草は百害あって一利なしです。
by dazaiosamuh | 2014-05-25 12:43 | 太宰治 | Comments(2)

by 黒森 富治大(くろもり ふじお)